就業規則

経営者のための労務トラブル相談コーナー

正社員就業規則

(定義)
正社員とは期間の定めのない雇用契約を結ぶのが一般的です。そのため就業規則上「この就業規則で正社員とは第○条及び第○条に定める手続きにおいて採用され、期間の定めのない従業員としての身分を有する者をいう」等の定義付けが望ましいと思われます。

(採用時の提出書類)
正社員は長期雇用を原則としているため、採用時には十分な書類審査をすべきです。採用選考時に、履歴種、職務経歴書、健康診断書、成績証明書、卒業(見込)証明書、資格証明書等を提出させ、採用決定時には、誓約書、身元保証書、住民票記載事項証明書、源泉徴収票、年金手帳、雇用保険被保険者証、扶養控除等申告書、扶養家族届等を提出させます。

身元保証書には従業員としての適格性を保証する人物保証機能と、従業員が会社に損害を与えた場合に、賠償を保証する金銭賠償機能があります。長期雇用予定者には欠かせない書類です。

出向や懲戒処分には従業員の同意が必要ですが、個別の同意ではなく、就業規則上に定められた包括的同意でもかまいません。就業規則の各規定に同意する旨の誓約書はとるべきです。また、誓約書には顧客の個人情報漏洩防止、企業秘密の守秘義務等も定めておきます。

(試用期間)
正社員の場合、会社の求める人物像か、適切な能力をもっているか、評価する期間を2~3ヶ月は欲しいところです。試用期間中は、法的には解約権留保付労働契約が成立していると解されているため、本採用拒否がしやすいというメリットもあります。ただ、1年にもわたる試用期間は公序良俗に反する恐れがありますので、せいぜい6ヶ月程度に抑えるべきです。

また、2.3ヶ月の試用期間では正社員としての適格性を判断できない場合があるため、延長することがある旨を定めたり、逆にヘッドハンティング等であらかじめ本人に会社の求める能力があることがわかっている場合には、試用期間を設けないことがある旨も定めておくとよいでしょう。

(懲戒)
会社は企業秩序定立権を有していて、従業員の企業秩序違反行為に対し、懲戒処分が可能ですが、懲戒権は就業規則に懲戒の種類と事由を就業規則に明記して、初めて行使できます。

(競業避止義務)
在職中及び退職後に会社と競合関係にある企業への就職、ライバル会社の設立を禁止するには就業規則の定めが必要です。

在職中であれば、労働契約における信義則上の義務として就業規則に定めがなくても従業員には競業避止義務がありますが、退職後については、職業選択の自由を侵害する点から、就業規則に明確な根拠があることが必要ですが、地域・期間の限定、対象職種の限定、代償措置の有無、従業員の地位など制約はあります。

(就業規則の改定)
長期雇用期間中には法令の改正、社会経済情勢の変動、会社の経営上の必要性等から就業規則の変更は避けられません。所定の手続きによる就業規則の変更可能性を規定しておきます。

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