労働者が負う企業秩序遵守義務が、あくまでも労務提供義務に関連する義務に限られる、ということは、制約された範囲の企業秩序遵守義務を負うに過ぎない、ということになります。
このブログでは労使トラブルを防止・解決し、
会社を守るための就業規則はいかにあるべきかきを察していきたいと思います。
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労働者が負う企業秩序遵守義務が、あくまでも労務提供義務に関連する義務に限られる、ということは、制約された範囲の企業秩序遵守義務を負うに過ぎない、ということになります。
1.企業が労働者に対して、遵守を求めることができる企業秩序は相当限定されています。
企業にとって必要と思われる秩序であっても、社会通念上容認され、労働契約上の制約(信義誠実の原則、労働者の人格的利益の擁護、労働基準法による制約など)によって、限定されたものとなります。
口ひげを剃るよう求めた就業規則に違反したハイヤー運転手の戒告処分が無効とされた裁判があります(イースタンエアポートモータース事件 東京地裁昭和55年12月15日判決)。
判決は、ひげを剃るという規定は、単なる口ひげまで剃ることまで求めているものではなく、もし、そこまで求めるとすれば公序に反して無効である、としました。
懲戒権の濫用と判断するのではなく、就業規則(服務規律規程)の規定の解釈そのものを限定的に行いました。
2.一般社会の法的秩序に違反する企業秩序は認められません。
違法行為や社会通念に反する行為が、その企業にとっていかに必要なものであっても、労働者に遵守を求めることはできません。例えば、賞味期限の偽装が、企業にとって必要な行為であっても労働者に遵守を求めることはできない、ということです。
3.企業秩序そのものは、懲戒権の根拠にはなりません。
労働者に企業秩序の遵守を求め、違反に対して、懲戒処分を処分を科すには合理的な就業規則上の規定があるか、個別労働契約上の明確な根拠が必要です。
国鉄札幌運転区事件及び富士重工業事件でも同様な判断を示しています。
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