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解雇と就業規則

解雇とは、使用者による労働契約の一方的な解約のことです。民法では、雇用期間の定めがなければ各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができ、雇用は解約の申し入れかの日から2週間経過すれば終了します。

すなわち、民法の規定上では使用者は2週間以上の予告期間をおけばいつでも労働者を解雇できます。

労働基準法はこれに修正を加えて、使用者は労働者を解雇しようとするときは30日以上の予告期間を置くか、予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければならない、と定めています。

ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、予告期間も予告手当の支払いも必要ありません。

上記理由により、労働者を即時解雇するには労働基準監督署長の認定が必要です。

そこで、よく見かけるのが下記のような規定です。

(懲戒解雇)
第○○条 労働基準監督署長の認定を受けた場合は予告期間を設けずに即時懲戒解雇する。

上記の規定例は、法律の条文通りで一見、何の問題も無いように思われますが、果たして本当に懲戒解雇する際には労働基準監督署長の除外認定が必要でしょうか。しかも、それをわざわざ就業規則にまで規定する必要があるでしょうか。

東京高裁昭和46年6月29日判決では、労働基準法第20条3項は「労働者の責に事由」の存否の認定を使用者にゆだねると、労働者の保護に欠けるおそれがあるとの労務行政上の配慮から設けられたのであって、行政官庁による前記事由の存否の認定は、いわば事後確認的なものであると解するのが相当であり、右事由の存否は、最終的には裁判所が判断すべき事柄であるから、行政官庁の認定を受けないで解雇した場合でも、労働者の責に帰すべき事由が存する場合は、労働者は使用者に対し解雇予告手当を請求できないと解すべきであると判示しました。

現在では、この解釈が通説判例であり、使用者が労働者の責に帰すべき事由があるとして、当該労働者を労働基準法第20条3項による労働基準監督署長の除外認定を受けないで解雇した場合でも、裁判所において労働者の責に帰すべき事由が認められれば、予告手当を支払う必要はありません。

上記規定例のように就業規則でわざわざ「労働基準監督署長の認定を受けた場合は」などと会社を縛る規定を設ける必要は全く無いということです。

2009年5月24日 19:28|kobayashi記事URLコメント (0)トラックバック (0)

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