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労働者が退職後、競業他社に就職したら?競業避止義務

退職後の労働者が、競業他社に就職、あるいは同業会社を設立することはよくあることです。会社は大切な顧客を奪われたり、企業秘密の漏洩、はたまた従業員の大量引き抜きといった事態に陥ることもあります。

さて、どうしたら労働者の退職後に会社守ることができるでしょうか?

労働者は、会社と雇用関係にある間は、会社の利益に反して競業他社と兼業、同業会社を運営などは、個別の契約や就業規則上に規定がなくても、信義誠実の原則に基づき、一般的にはできません。通常、就業規則の定めに従い、懲戒処分がなされることとなります。当然、懲戒処分を課すには就業規則に具体的な定めが必要ですが。

問題は退職後にも、競業避止義務を課すことができるかどうか、です。一般的には、憲法で保障された職業選択の自由があるため、無制限に競業避止義務を課すことはできません。

退職後の競業避止義務が有効となるためには、契約上特別の具体的な根拠があり、合理的な範囲である必要があります。合理的な範囲は、労働者の地位、競業を制限する目的、使用者に認められる正当な利益、制限期間・職種・地域を最小限度にとどめること、代償措置があるか、などを総合的に考慮判断されます。(フォセコ・ジャパン事件 奈良地判昭45.10.23 判時624-78、キヨウシステム事件 大阪地判平12.6.19労判791-8等)

会社は、競業避止義務に違反した退職労働者に対して、損害賠償、差止請求、退職金の減額・没収・不当利得返還請求等を求める場合があります。また、営業秘密の使用・開示である場合には、不正競争防止法の規定により差止請求、損害賠償、信用回復措置を求めることもできます。

ただし、退職金の減額・没収措置等に関しては就業規則(退職金規程)にその旨の明確な規定が必要です。(三晃社事件 最二小判昭52.8.9 労経速958-25他)

就業規則規定例
(競業避止義務)
第○○条
従業員には在職中及び退職後2年間は、会社と競合する他社に就職及び競合する事業を営むことを禁止する。
2 従業員が前項に違反した場合、会社はその情状により、譴責、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の処分を課す。
3 従業員が第1項に違反した場合、会社はその損害の程度により損害賠償、差止請求、信用回復措置を求めることがある。
4 従業員が第1項に違反した場合、会社は退職金の返還を求めることがある。

2008年12月22日 19:15|kobayashi記事URLコメント (0)トラックバック (0)

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