労使トラブルから会社を守る就業規則ブログ
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労働者が、民法第627条と労働基準法第39条を盾に取り、2週間後の退職申出と同時に残りの在籍期間すべて年次有給休暇で消化すると言い出すことがあります。
民法627条の規定により、月給者の場合は当期の前半に辞職を申出ることにより、時給者や日給者であれば2週間前に申出することにより、当該期間終了後一方的に雇用契約を解除することができます。
更に、労働基準法第39条の規定により、使用者は年次有給休暇を、労働者の請求する時季に与えなければなりません。使用者は、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季に変更することができるものの、退職日を超えて変更することはできません。
したがって、労働者が「2週間後に退職したい、有給休暇が2週間以上余っているので明日から出社しません。」と申出した場合、使用者は拒否することができません。
しかし、業務の引き継ぎもなしにいきなり休まれたのでは会社はたまりません。なにか、良い方法はないものでしょうか。
以下にいくつか方法を述べてみたいと思います。
1.退職までの2週間は現実に就労する義務を就業規則で定める。現実に就労せず、業務の引継ぎをしなかった場合には退職金を減額する旨も就業規則に定めておきます。
2.退職すると消滅してしまう年次有給休暇を買い上げる。
3.普段から年次有給休暇の取得を推進し、なるべく繰り越しのないような労務管理をする。
4.5日を超える年次有給休暇を計画年休として、労使協定を結び、個人別あるいは一斉休業の年間計画を立て、多くの年次有給休暇が残らないようにする。
就業規則規定例
(退職前の業務引継義務)
第○○条
従業員は、退職前の2週間は現実に就労し、業務の引継ぎをしなければならない。現実に就労せず、業務の引継ぎを行わない場合には、退職金を減額する。
(計画年休)
第○○条
会社は、年次有給休暇日数のうち、5日を超える部分については、労働基準法第39条5項に基づく労使協定を締結した場合には、計画的に付与するものとする。
2 従業員は前項の労使協定により定められた年次有給休暇を取得しなければならない。
参考条文
民法
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
労働基準法
(年次有給休暇)
第三十九条
○4 使用者は、前三項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
○5 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。